先日、当法人の災害救助犬の講師が犬の訓練の大会を目的としてヨーロッパを訪れる機会がありました。
滞在中に感じたのは、日本とヨーロッパにおける「犬をめぐる考え方」の大きな違いです。
まず驚いたのは、公共交通機関での犬の扱いです。ヨーロッパでは電車やバスに犬が同乗する光景が日常的で、特別な違和感もなく受け入れられていました。一方で、日本では犬の乗車には制限が多く、キャリーバッグに入れるなど厳しいルールが求められることが一般的です。
また、店舗への入店についても文化の違いを強く感じました。カフェやショップの中に犬連れで入ることができる場所が多く、犬と人がごく自然に同じ空間を共有していました。日本ではまだまだ珍しい光景であり、印象深く感じました。

さらに意外だったのは、アレルギーへの対応です。ヨーロッパでは犬アレルギーを持つ方がいる場合でも、周囲が一律に「犬を排除する」のではなく、本人が自己判断で距離を取るという考え方が一般的でした。日本の「周囲が先に配慮する」文化とは大きく異なり、自律的な価値観の違いに触れることができました。
この経験を通して、犬をめぐるルールや考え方は国や文化によって大きく変わるのだと改めて実感しました。日本で当たり前とされていることが、世界では必ずしも同じではない。そのことを肌で感じ、多様な価値観を理解する大切さを学ぶ旅となりました。


